男はクロゼットからここ何年か着ていなかったコートを取り出して身につけた.
そしてポケットの中に入っていた それ を発見し,しばらく眺めた後に呟いた.
「…こんな思いをするくらいなら,きみに出会わなければ良かった.」
男はおもむろに手に持っていたそれを屑籠に投げ捨て,部屋から出て行った.
屑籠の中には,賞味期限 96年 5月 とかかれた 桃太郎印の吉備団子 がひっそりとたたずんでいた.
『バーチャルリアリティに関する日仏公開シンポジウム』にバイトに行く. CSL 主任研究員の沼岡さんがチェアをやっていて,お茶の水女子大の佐藤一郎さんもいらっしゃっていた. 伸びに伸びて午後 6時くらいに終了. なんにせよ裏方は大変だ,とつくづく思う. 講演者は開催前の 1時間前には打ち合せに来てくれと言っているのに直前までまったく誰も来ない. これで手際が悪いとか言われたら,こめかみにちょっと # 印がつくだろう. 内容を語れる程余裕が無かったけれど,ホンダの 2足歩行ロボットが動いているのはちょっと感動 (映像だけど). 哲学と VR の関係を論じるセッションは,まったく理解しようという意志が生じなかった. フランスの人はこれがメインだったらしいが.
打ち上げでは三田の『じゃがいもの花』というパスタの店に行く. 安くて美味しい. パスタはみんな大盛り,ワインも店で最も高い赤白 1本ずつ頼んでも,5人で 15,000円もしなかった (15,000円は打ち上げ費用に入っていたので結局タダ). ワインの飲みすぎでふらふらになって帰り,速攻寝る.
バイトで一緒になった SFC 村井研の B3 藤枝君に教えてもらった生協のサンドイッチ,『メキシカンチキン (サルサソース)』も美味しい. 良い情報を教わった. …矢上で売っているのだろうか?
メールボム解説ページなるものを友人から教わる. でも人には教えない方が良さそう.
午前中は歯医者に行って昼に登場. でも研究室閉まってるし. 鍵をあけた 5 分後になんと 久さん登場. あやうく久さんが入れないところだった. で,ほかには誰も来ないんだな. 久さんも「…最近は土曜は人が来ないんだな (意訳:ふざけんな俺がせっかく来てやっているのに昔は良かった最近の若いやつは以下略).」とお嘆きになる.
ノート PC が欲しいけど,お金が無い. 結局雑誌や Web などをみて必殺『買ったつもりになる』攻撃に出る. …意味が無い. やっぱり,どこでもプログラミング・快適コンパイル・さくさく実行,というふうにしたいなぁ.
雪が降ると心が踊るのは正しい心掛けだと思います. …雪掻きをしなくて良い程度なら. 1日 3回も雪掻きしなければならないとなれば,そうも言っていられない.
そういえば,日吉東急ストア 2階本屋で『Java でつくるモーバイルエージェント(に似たようなタイトル)』なる本が 初刷 98年11月25日 で出ていた. 前田に教えてやろう.
なんか,研究室に怪しげな甲高いハードディスクの音が響き渡っている. 少し怖い…
日曜の晩から姉の家に遊びに行く. 夕食は鍋で,たらふく食ってビール飲んで良い感じになって寝てしまう. そのあとプレイステーションで『パラサイト・イヴ』をやり,ついついはまる. こういうタイプのゲームは趣味にあっているので,プレステを買おうかな,と考える. でも携帯電話も買いたいし…
晩飯はいつもの『麦』じゃなく,たまには『あじさい』に行こうという話になる. が,一杯だったので,小巻,小川,京田と『たちばな』に. しかし,飯が出てくるのが遅い. やっぱり晩飯は麦に限る.
小川先生曰く,64 のゼルダは今年度最高のゲームらしい. 小川が絶賛する程だから,ちょっとやってみたくなる.
FreeBSD-2.2.8-RELEASE 登場. global する.
風邪から復活,と思うと,バイト先の計算機が停電により軒並ダウン. この時期,かなり辛い. 停電の馬鹿野郎!と心の底から思う. 就職活動時のサーバクラッシュに比べればなんぼかましだが,でもよりによって修論もやらなくてはならないこの時期に… このままだと明日の研究室の大掃除&忘年会も参加できないかも. 本当に憂鬱…
所研 忘年会.公然の秘密明らかに.
二次会.凡庸な詩人には「吐いて吐いて吐きまくった」としか形容できないであろう. (皆様にはご迷惑をおかけしました.ありがとうございます.特に shugo 先生,fukuda 先生.)
帰省を決意したのは 11月末だが,この時期なにやらと忙しいので飛行機のチケットをとったのは結局 12月の上旬だった. ところで,いつも飛行機に乗るためにここで考えなくてはならない事がある. それは何か? 価格である. ただでさえ忙しい時期にある年末で,極力安くあげようと (虚しい) 努力するのが若者の悲しさであり,そしてその努力を誇りに思ってしまうのが愚かさであろう. 学生であるがスカイメイトも無いので (22歳まで),なるべく安くあげるにはどうすれば良いだろうか? 姉も帰省すると言うが,12月31日になるというので,一緒の飛行機のチケットをとってあげようかという提案を断り,毎年生協でやっている格安チケットフェアを狙う. が,聞いてみると,今年はやっていないんですよ,との衝撃的な御言葉. ならば仕方無い. 割引のある飛行機を調べてもらうと,通常 23,000円あたりする羽田千歳間が早朝だと 15,000 〜 18,000円あたりで乗れるということである. では一番安いので. 5:50 羽田発 15,600円? 決まった. 少々朝早いが,まぁそんな事は前の晩から空港で泊り込めば済む事である. この判断が甘いという事に後で気が付く.
実家に電話をすると母親に本当に泊まったりできるのかを確認した方が良い,と諭され,空港に電話をする.
「前の晩から泊まれますよね?」
「いえ,保安の関係上,一度深夜に空港が閉鎖されます」
なんということか.
朝 5時50分ではいつも利用している横浜駅からの YCAT も利用できない!
そこで『駅前探検倶楽部(東芝)』の乗り換え案内で検索したところ,
とたった一つだけ出た (なぜ横浜から直接京急蒲田に行けないかというと,京急の始発は遅く,それに乗ると 5:50 の飛行機に間に合わないからである). これなら何とか間に合うが,東横線日吉からは始発は出ていない. さてどうするか. そこで思い付いたのが,以前利用した 横浜駅スカイビル 14F にある『スカイスパ』である. そこは 朝11:00 〜 翌朝 9:00 までの 22時間営業で 5時間利用 2,300円 (一般),1,700円 (学生) なのでそこに前日から泊まれば良いのではないだろうか. (じゃぁ少しくらい高くても,もう少し遅めの飛行機で良いじゃん)という内なる声は聞かなかった事にした. ちなみにスカイスパは毎月第二火曜がメンズディで,1,300円である.
ということで,27日.所研に寄り帰る用意をする. 前田が「突然だが,ラーメン食いてぇ」と言うので,スカイスパに行く前に "TRF 番外編" 行くことにし,そのまま横浜駅まで送ってもらうことにする. 連れて行ってもらったのは前田&真人行きつけの『とんぱた亭』という一見普通のラーメン屋であったが,味は日吉の『ラスタ』よりもうまいと思った. "ネギチャーシュー麺固め"を食す.
さて横浜駅に着き「良いお年を」と言って前田と別れた後,スカイビルに向かう. が,迷う (^^;. 横浜駅をうろうろした挙げ句,スカイビルが YCAT の近くだと分かったのは駅に着いてから 20分くらいたった後であろうか. 一時間程,桧風呂,バブルバス,サウナと堪能した後,休憩室でリクライニングに掛け三時間半程休憩(各リクライニング毎にテレビがある)および仮眠をとる.
4時になったので,横浜駅へ. だが!スカイビルから横浜駅への通路が早朝で封鎖されているのに気付き愕然とする. スカイビルを出て,またしてもうろうろした挙げ句,横浜駅が遥か道路の向こう側にあることを発見しほうほうの体でたどり着く. あと十分程迷っていたら危うい所であった. どうにかこうにかして 5:30 羽田空港到着. すぐ搭乗手続きをし,12番ゲートから飛行機に乗り込む. 飛行機のなかでついウトウトしてしまう. 起きてノート PC を開き,この日記を書き始めようと思い立つ. 窓から外を見ると,朝日が差し込むすがすがしい天気. さわやかな気分に浸り,何があっても今なら寛大に全てを許せそうである. さて,PC を開いて,と. …おい,前の奴. 普通シートを倒す前に後ろの人間に一言あるだろ. PC が開けないではないか,ふざけるな!
飛行機の中では,脳裏でいろいろな状況をシミュレートしたりなど,暇潰しにはこと欠かなかった. 7:20 になり,とうとう千歳空港に到着した. 周り一面,一変して白色につつまれており,やはり東京より寒い. が,東京の寒さと違い,厳しいが優しい寒さであるように感じられる. そのまま JR で札幌へ.空いているので汽車の中で日記の続きを書く. しばらくすると平日の朝なので段々混んできたが,構わず日記を書き続ける. もしかすると後ろから読まれているのかも知れない. まぁ良い. 「さっぽろー駅で会いーませんかー(今でもこの CM はあるのだろうか)」の札幌駅に到着する. でもこのフレーズも,北海道人が「ぢゃん!」の"でんこちゃん"を知らないのと同じく,内地の人間には分からないか?
少し外へ出て見る.
おお札幌よ,我は戻って来たぞ.
さぁ帰郷の第一歩をその雪面に刻むのだ.
つるっ.
どうやら拒否されたようである.
そこらの喫茶店でモーニングを注文し,赤平への高速バスに乗るべく切符を買う.
時間までしばらくあるので,そごうの本屋や CD 屋へ入り,舌間の持っている松任谷由実のベストと MISIA の CD を買う.
手ぶらで帰るのも何なので,地下で御土産の六花亭のバターサンドを買う.
なぜ札幌で土産を買うのか.
東京で買うべきではないのか?
否.どこで買ったかは問題ではない.何を買ったかが問題である.
何故なら,自分が食べたいからである (それは御土産なのか?).
そして実家に到着した.
「これ何?」
「御土産」
「そうか由晃も成長したねぇ」
御土産程度で成長したと言われるようでは,両親が自分のことをどう思っているかは推して知るべし.
竹島家の朝は 7時から始まる. 我が家の伝統として,朝食は必ず一家全員集まらなければならないため,たとえ前日遅くまで起きていたとしても叩き起こされる. 誰もが忙しいので自分が朝食の支度 (といってもパンとかヨーグルトとかであるが),および食器洗いを担当する. そのあと『雪掻き』を一時間弱程し,更に両親の手伝いのため,店の手伝いに行く. (俺は修論やらなきゃならないんだよー) と言う我が心の叫びは空気中を伝わる振動に変わる前に口の中で消え去ってしまう. 年末のこの時期,とにかく忙しい事は長年のことで身に染みてしまっているし,店が潰れてしまうことにでもなれば元も子もない. なんとか途中で切り上げ,そのあとでできるだけやろう,という考えは甘いのだろうか? 結論: 甘い. 店の開け閉めから荷物の運搬,売場のセッティング,お客様の接待,チラシの張り付け,福袋の詰め込み等,一つ終れば泡のように次々と仕事が湧いてきて,結局丸一日手伝いで終る事になろうとは… うくっ. 夜 10 時すぎに帰宅. 風呂にも入らずそのまま寝てしまう.
今日は大晦日である. 店の手伝いもやはりしなくてはならないため,隙を見てシミュレーションを走らせるなど苦心する. 夕方,東京から姉登場. これで家事は多少楽になるか? 良く考えると,正月に家族一同が揃うのは 5 年振りくらいではないだろうか. 大晦日なので 17:30 に閉店.当然手伝わされる. そしてハイパーマート (ダイエー) に買物に行く. 夜はシャブリのワインを家族で堪能するが,気持良くなり寝てしまう. …あれ,いつの間に新年に?